居酒屋の怪談
それは、東京の下町にある小さな居酒屋でのことだった。
その居酒屋は、昔ながらの雰囲気を残した老舗で、常連客が多く、いつも賑わっていた。
ある日、その居酒屋に、一人の青年がやってきた。
青年は、仕事帰りにふらりと立ち寄ったという。
青年は、カウンターに座って、ビールを注文した。
カウンターの向かい側には、一人の老人が座っていた。
老人は、青年に話しかけてきた。
「どうしたの?一人で飲んでるの?」
青年は、老人の声に驚いた。
「はい、仕事帰りにふらっと立ち寄りました」
「そうか、それじゃあ、一緒に飲もうか」
老人は、青年にビールを注いだ。
二人は、酒を飲みながら、話をした。
老人は、居酒屋の常連客で、いつも一人で飲んでいるという。
青年は、老人の話に興味を持ち、ついつい長居してしまった。
夜も更け、酔いが回ってきた青年は、ついつい口を滑らせた。
「実は、僕、都市伝説が好きなんです」
老人は、笑いながら言った。
「そうか、それはよかった。俺にも、お前に話したい都市伝説があるんだ」
老人は、青年にグラスを傾けながら、話を始めた。
「この居酒屋には、不思議なゲームがあるんだ。そのゲームをすると、必ず何かが起こる」
青年は、興味津々で老人の話を聞き入った。
「そのゲームとは、まず、この居酒屋のメニューにある、すべての酒を飲み干すんだ。そして、最後は、この居酒屋の看板メニューである『幽霊酒』を飲むんだ」
「幽霊酒?」
青年は、首をかしげた。
「そう、幽霊酒。この居酒屋でしか飲めない、特別な酒なんだ。その酒を飲むと、必ず何かが起こる」
老人は、そう言って、青年に目配せをした。
青年は、思わず、グラスを傾けた。
「じゃあ、俺もやってみようかな」
青年は、メニューを眺めながら、酒を注文した。
青年は、次々と酒を飲み干していった。
そして、最後は、幽霊酒を注文した。
幽霊酒は、色も香りも、普通の酒と変わらなかった。
青年は、一気にグラスを空にした。
すると、突然、店内が暗くなった。
青年は、目を凝らしてあたりを見回した。
すると、カウンターの奥から、白い影が浮かび上がってきた。
青年は、恐怖で声を失った。
白い影は、ゆっくりと青年に近づいてきた。
青年は、必死に逃げようとしたが、体が動かなかった。
白い影は、青年の前に立ち止まった。
そして、青年の顔をじっと見つめた。
青年は、白い影の目を見つめることができなかった。
青年は、思わず目を閉じた。
すると、白い影は消え去った。
青年は、目を開けた。
店内は、元通り明るくなっていた。
青年は、自分が夢でも見ていたのかと思った。
しかし、グラスに残っていた幽霊酒を見ると、それは夢ではなかったと悟った。
青年は、恐怖で震えながら、店を飛び出した。
それ以来、青年は、その居酒屋には二度と足を踏み入れることはなかった。
終わり
この都市伝説は、東京の下町にある居酒屋を舞台にした、怖い話です。
この話の肝は、幽霊酒を飲むと、必ず何かが起こるという点です。
青年は、都市伝説好きということもあり、ついついゲームに挑戦してしまいます。
そして、ゲームをクリアした後に、白い影に遭遇するのです。
この白い影は、一体何者なのか、はっきりとはわかりません。
しかし、青年が体験した恐怖は、きっと本物だったのでしょう。
この話は、都市伝説として、多くの人に語り継がれていくでしょう。