音楽室の少女

ある小学校の教室には、幽霊が出ると言われていた。その教室は、昔は音楽室だったのだが、ある事件がきっかけで使われなくなってしまった。

その事件とは、ある日、音楽室で授業を受けている生徒たちが、突然、一人の女の子がピアノの前に倒れて死んだというものだった。女の子は、いつものように授業を受けている最中に、突然、倒れて息絶えてしまった。原因は不明だった。

その事件以来、音楽室は使われなくなってしまった。そして、その教室には、幽霊が出るという噂が立った。

噂によると、幽霊は、ピアノの前に倒れて死んだ女の子の亡霊だという。その女の子は、いつもピアノを弾くのが好きだったという。そして、死んだ後も、ピアノを弾きたくて、教室に残っているという。

その噂を聞いた生徒たちは、誰もその教室に入るのを怖がった。そして、その教室は、学校の七不思議の一つとして語り継がれるようになった。

ある日、その学校に赴任してきた新任の先生がいた。その先生は、学校の七不思議に興味があった。そして、その教室の噂を聞いた時、ぜひともその教室を見学してみたいと思った。

先生は、生徒たちに「あの教室を見せてほしい」と頼んだ。生徒たちは、先生が幽霊を信じていると思っているようで、最初は渋っていたが、先生の熱意に押されて、ようやく教室を見せることにした。

先生は、教室に入ると、まず、ピアノの前に座った。そして、ピアノの鍵盤を弾いた。すると、不思議なことに、ピアノが勝手に音を奏で始めた。

先生は、驚いて立ち上がった。そして、教室を見回した。しかし、教室の中には誰もいない。

先生は、ピアノの音が、幽霊の女の子が弾いているのではないかと考えた。そして、その女の子に話しかけてみた。

「もし、あなたがここにいるのなら、私に何かを伝えてくれませんか?」

先生は、心の中でそう呟いた。

すると、ピアノの音が止まった。そして、教室の中に、女の子の声が響き渡った。

「先生、私、ピアノを弾くのが好きでした。でも、もう弾けません。先生、私にピアノを弾かせてください。」

先生は、女の子の声に驚いた。そして、女の子の声に答えた。

「もちろん、弾かせてあげるよ。一緒にピアノを弾こう。」

先生は、ピアノの前に座り、女の子の声に合わせてピアノを弾いた。すると、女の子の声も一緒にピアノを奏で始めた。

二人は、一緒にピアノを弾き続けた。そして、二人の演奏は、どんどんと美しい音色を奏でるようになった。

その演奏を聞いた生徒たちは、教室の外から聞き入っていた。そして、生徒たちは、先生と女の子の演奏に、心を打たれた。

その後、先生は、生徒たちにその教室の話をしてくれた。そして、生徒たちは、先生と女の子の演奏を、ずっと覚えていた。

そして、その教室は、再び使われるようになった。そして、その教室には、もう幽霊は出なくなったという。

 

解説

この話は、小学校の教室に出る幽霊の話をベースにしています。幽霊は、ピアノを弾くのが好きだった女の子の亡霊です。その女の子は、死後もピアノを弾きたくて、教室に残っています。

この話のポイントは、幽霊と先生が一緒にピアノを弾くというシーンです。このシーンによって、幽霊は、ただの怖い存在ではなく、心の優しい女の子であることが示されます。そして、このシーンによって、幽霊と先生の心が通じ合い、教室が再び使われるようになるという希望が生まれます。

この話は、都市伝説のような怖い話ですが、最後には希望の光が差し込むという、読後感の良い話になっています。