地震の予言

2025年、日本は地震の頻発する時代を迎えていた。過去数年間で、首都圏を中心に大規模な地震が何度も発生し、多くの人命が失われていた。そんな中、ある宗教団体が「地震の予言」を始めた。

その宗教団体は、創始者の一人である学者が、数十年にわたる研究によって、地震の発生を予測する方法を確立したと主張していた。学者は、地震の発生前に、地表のわずかな変化が観測されることを発見し、それをもとに予測を立てていた。

学者の予言は、これまでのところ、ほぼ的中していた。そのため、宗教団体は多くの信者を集め、その影響力は拡大の一途をたどっていた。

ある日、学者は、来るべき地震がこれまでに経験したことのない規模のものになると予言した。その地震は、首都圏を壊滅させるほどの威力を持つという。

学者の予言は、大きな不安を呼び起こした。政府は、地震の対策を強化したが、その規模の大きさには、対処が難しいものがあった。

そして、予言された日がやってきた。

午前9時、首都圏を震撼させる地震が発生した。地震の規模は、学者の予言通り、これまでに経験したことのない大きさのものだった。

地震によって、首都圏は壊滅的な被害を受けた。多くの建物が倒壊し、多くの人々が犠牲となった。

政府は、救援活動を開始したが、被害の規模は膨大なものであり、救助は困難を極めた。

そんな中、宗教団体は、地震の被害は、人々の罪の報いであると主張した。そして、人々が団体に帰依すれば、救われると説いた。

宗教団体の主張は、多くの人々の心に響き、団体への信仰はさらに強まった。

しかし、学者は、団体の主張を否定した。地震は、自然災害であり、人々の罪の報いではないと主張した。

学者の主張は、団体からの反発を招いた。そして、学者は、団体によって殺害された。

学者の死によって、人々はさらに恐怖に陥った。そして、団体への恐怖は、宗教への恐怖へと変わっていった。

宗教団体は、ますます勢力を拡大し、人々は団体の支配下に置かれるようになった。

そして、日本は、宗教団体の恐怖支配下に置かれた。