学校の七不思議
田舎町にある小学校の教室には、幽霊が出るという噂があった。その教室は、かつて不登校になった少女が自殺した場所だった。
ある日、その教室で担任をしている新任の先生が、生徒たちに学校の怪談を話そうとした。
「この教室には、幽霊が出ると噂になっているんだよ」
先生の言葉に、生徒たちは興味津々で耳を傾けた。
「昔、この教室に通っていた少女が、ある日、不登校になったんだ。その少女は、いじめを受けていたらしい。そして、ある日、この教室で自殺してしまったんだよ」
先生の話を聞きながら、生徒たちはぞっとした。
「幽霊って、本当にいるんですか?」
ある生徒が恐る恐る尋ねた。
「それは、分からないな。でも、この教室では、時々、奇妙な出来事が起こるらしいよ」
先生は、生徒たちに、幽霊の目撃談をいくつか話した。
「ある人は、教室の中に、白い人影を見たらしい。また、ある人は、教室の窓から、少女の顔を見たらしい」
先生の話を聞き終えた生徒たちは、誰もが怖そうな顔をしていた。
「先生、もう、学校の怪談は、やめてください」
ある生徒が言った。
「ごめんね。でも、みんなに知ってほしかったんだよ」
先生は、教室の照明を消して、生徒たちに目を閉じるように言った。
「静かに目を閉じて、耳を澄ませてごらん。もし、何か聞こえたら、教えてね」
生徒たちは、先生の言葉に従って、目を閉じて耳を澄ませた。
しばらくすると、教室の中に、何かが動く音が聞こえた。
「先生、何か、聞こえますか?」
ある生徒が言った。
「うん、聞こえるよ」
先生は、生徒たちに、静かにするように言った。
教室の中には、足音のような音が聞こえた。その音は、教室の奥から近づいてくるようだった。
生徒たちは、恐怖に震えていた。
足音は、ついに教室の前にまで近づいた。
「誰か、いるんですか?」
先生が声をかけると、足音は、突然、止まった。
教室の中には、静寂が訪れた。
「先生、幽霊ですか?」
ある生徒が言った。
「分からないな。でも、何かは、いるようだ」
先生は、生徒たちに、教室の照明をつけて、目を覚ますように言った。
生徒たちは、恐る恐る、目を覚ました。
教室の中には、誰もいなかった。
「本当に、幽霊がいたんですか?」
ある生徒が言った。
「それは、分からないな。でも、何かは、あったようだ」
先生は、生徒たちに、その日は、帰宅するように言った。
生徒たちは、恐怖に震えながら、教室を出ていった。
その日から、生徒たちは、その教室には近づかなくなった。
そして、その教室は、学校の七不思議の一つとして語り継がれるようになった。
エピローグ
数年後、その学校は、老朽化のため、取り壊されることになった。
取り壊しの前日、その教室で、ある出来事が起こった。
その教室の窓ガラスが、突然、割れたのだ。
割れたガラスには、少女の顔が映っていたという。
その少女は、かつてその教室で自殺した少女だった。
少女は、何かを伝えようとしていたのかもしれない。
しかし、そのメッセージは、誰にも届かなかった。
少女の魂は、今もなお、その教室に留まっているのかもしれない。