ドライブインの幽霊
深夜、山道を走る一台の車があった。車内には、恋人同士のカップルが乗っていた。
彼氏は、運転をしながら彼女に話しかける。
「ねえ、このドライブインって知ってる?」
「え、知らないけど。何?」
「ここの山道は、夜になると幽霊が出るって噂があるんだ」
「幽霊?うそでしょ」
「本当だよ。昔、この山で事故があって、その事故で亡くなった人たちが幽霊になったんだって」
「怖い……」
「でも、幽霊なんていないから大丈夫だよ」
彼氏はそう言って、彼女を安心させる。
車は、ドライブインに到着した。ドライブインは、山道の途中にある、小さな建物だった。
「ちょっと寄ってみようよ」
彼氏はそう言って、車を停めた。
カップルは、ドライブインに入る。ドライブインは、すでに閉まっていて、明かりはついていなかった。
「誰もいないみたいだ」
彼氏はそう言って、ドライブインの中に入っていく。
彼女は、少し怖かったが、彼氏の後についていった。
ドライブインの中には、テーブルや椅子、カウンターなどが置いてあった。すべて埃をかぶっていて、長いこと使われていないようだった。
「ここは、昔は賑やかだったんだろうね」
彼氏はそう言って、カウンターの上を触った。
その時、カウンターの下に何かが落ちる音がした。
「あれ?」
彼氏は、カウンターの下に手を伸ばした。
彼氏がカウンターの下から取り出したのは、古いアルバムだった。
「これは、何?」
彼女は、アルバムを手に取った。
アルバムには、昔の家族やカップルの写真が貼ってあった。
「昔の人たちの写真だね」
彼氏はそう言って、アルバムをめくった。
すると、彼氏は、ある写真に目が止まった。
それは、事故で亡くなった人たちの写真だった。
「これは……」
彼氏は、写真に写っている人たちの顔を見つめた。
そのとき、彼氏は、ぞっとするような感覚を覚えた。
「何か変だ……」
彼氏は、彼女にそう言った。
「何が?」
彼女は、彼氏の顔を見た。
「この人たち……」
彼氏は、写真に写っている人たちを指さした。
「彼らは……死んでいる……」
彼女は、写真に写っている人たちの顔をよく見た。
すると、彼女も、彼氏と同じようにぞっとするような感覚を覚えた。
「お願い、早く出よう」
彼女は、彼氏にそう言った。
彼氏は、彼女の言葉に従い、ドライブインを出た。
車に乗って、山道を走り出した。
「あれ?さっきあったはずのドライブインがない……」
彼氏は、辺りを見回した。
しかし、ドライブインは、どこにも見当たらなかった。
「もしかして……あれは、幽霊だった?」
彼女は、そう言って、恐怖に震えた。
車は、山道を走り続けた。
しかし、彼氏と彼女は、もう二度と、そのドライブインには行かなかった。
終わり
解説
この話は、山道のドライブインで起きた怪奇現象を描いた都市伝説のような創作話です。
話のキーワードである「ドライブイン」は、夜になると幽霊が出るという噂がよくある場所です。また、「山」は、神秘的で不気味なイメージを連想させる場所です。
話の展開では、カップルがドライブインに立ち寄ったことで、幽霊に遭遇するという展開を採用しました。また、幽霊の写真がアルバムの中にあったという設定で、幽霊の存在をよりリアルに表現しました。
結末では、カップルがドライブインから逃げ出したことにより、幽霊との遭遇から解放されるという展開で、読者に安堵感を与えました。
この話は、都市伝説のような不気味な雰囲気を味わえる作品となっています。